「頭痛薬を飲んでも根本から治らない」「首の付け根からじわじわ頭が痛む」——こうした頭痛の多くは、鎮痛剤が届かない深い場所にある小さな筋肉が原因です。問題の筋肉は、頭蓋骨の真下に潜む後頭下筋群(こうとうかきんぐん)。ここが硬くなると大後頭神経が圧迫され、頭全体に痛みが広がります。
問題の筋肉はどこにあるか

後頭下筋群は後頭骨と頸椎第1・2番をつなぐ4対の深部筋肉(大後頭直筋・小後頭直筋・上頭斜筋・下頭斜筋)です。頭の細かい位置調整と安定を担います。
デスクワークやスマートフォンで頭が前に出ると、この筋肉は頭の重さ(平均4〜5kg)を常に支え続け、慢性的な過緊張に陥ります。指では直接触れられない深さにあります。
後頭下筋群で何が起きているか
後頭下筋群が持続的に収縮すると、筋肉内の毛細血管が圧迫されて血流が低下します。酸素・栄養不足になった筋肉は硬くなり、その中を通る大後頭神経(後頭部〜頭頂に走る感覚神経)を圧迫します。
鍼を刺すと何が起きるか

後頭下筋群は皮膚から20〜30mmの深さにあります。鍼はこの深さまで正確に到達し、筋肉の内部に直接作用します。
鍼を受けた筋肉は血流が回復し、柔らかくなります。硬化した組織が緩むことで大後頭神経への圧迫が解除され、頭痛が軽減します。マッサージの圧では届かない深さに、鍼は直接作用します。
マッサージが届かない理由
首肩を揉んでも頭痛が取れない理由は、マッサージの圧力が後頭下筋群の深さ(20〜30mm)に届かないからです。指や手掌の圧力は表層筋で吸収され、目的の筋肉に到達する前に減衰します。

頭痛薬はその場の痛みを抑えますが、筋肉の硬さ自体は変えません。根本にある後頭下筋群の緊張が残る限り、薬の効果が切れると頭痛は戻ります。
セルフケア:後頭部の血流を保つ習慣
後頭下筋群のセルフケアは、強く揉むより頭の位置を変えることが有効です。「頭が前に出た姿勢」の改善が最優先です。

- チンタック運動:顎を真後ろに引いて5秒キープ×10回。画面を見る前後に行うと効果的
- タオルリリース:丸めたタオルを後頭骨の下に置いて仰向け3〜5分。重力で後頭下筋群が緩む
- モニターの高さを合わせる:画面上端が目線の高さになるよう調整し、頭が前に出る姿勢を予防する
よくある質問
Fernández-de-las-Peñas C, et al. (2007). Referred pain from muscle trigger points in the dorsal neck and head muscles. Journal of Pain, 8(6), 441–447.
Simons DG, Travell JG, Simons LS. (1999). Myofascial Pain and Dysfunction: The Trigger Point Manual. Vol.1, 2nd ed. Williams & Wilkins.
後頭下筋群へのアプローチは、表面からでは届きません。Calmでは深部の筋肉に直接働きかける鍼灸施術で、慢性頭痛の根本原因にアプローチします。
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